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越前クラゲで ところてん。
2024年04月27日 (Sat)
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2006年11月11日 (Sat)
ねぇ、私の言いたいこと、わかるでしょう?
…え? わからないですって?
だからさっきから言ってるじゃない、
私はその時カサなんて持ってなかったって。
…えぇそうよ、あなたの知っている、あの傘よ。
私はね、今日は曇りだというあなたの言葉を信じてたの。
それってつまり雨は降らないってこと。そうでしょ?
なのに雨は降ったわ。安土っていうイクセッシブな山を整備してたときのことよ。
おかげで家に着いたときにはびしょびしょだったわ。

…どうして?どうして私に嘘をつくような真似をしたの?
僕を信じた君がいけない?
…っ…よくもまぁそんな白々しいことを言えたものね!!!

…あぁ、わかったわ。今日私がA羽さんやK10さんたちと過ごしてたから、妬いているのね。
この土曜という休日をあなたと過ごすのでなく、M山さんやABEさんが突然始めた
似非スターウォーズ撮影会の傍観に費やしてた…それが許せないのね?そうなんでしょう?

…やめてよ、嫉妬なんて見苦しいだけだわ。
大体あなた、私は土曜日はいつも弓道しかやらないこと、知ってるでしょ。
今回のは全部その中で起きた出来事なのよ。
…えぇ、ABEさんに焼きそばを頂いたことも、唐揚げを恵んでもらったことも全てね。

…なんでそんなカオするのよ?なんでそんな目で見るのよ?
あなたっていつもそう。私のすることをちっとも認めてくれないのね。
もういいわ。私たち終わりよ。あなたといても、窮屈なだけだもの!

………………………。
…でも、そうね…。
あなたと出会ってから今日までの日々が、とても楽しかったのは事実だわ。
M山さんのピッキング技術を見たときには劣るけれど。
せめてもの気持ちとして、この紅茶とケーキのお金は私が払っていってあげる。
それじゃ…今まで、ありがとう。



そう言うと、彼女は伝票を静かに取り上げて、慣れた手つきで支払いをする。
そしてテーブルに残された彼を一瞥し、無言のまま喫茶店を後にした。
店内には客の出入りを知らせる鐘の音が、小さく響いただけだった。


11日物語~ある男女の別れ話編~
         完
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名前:風瀬(フセ)
誕生:1990.09.11
生態: ・高専生
    ・弓道部
    ・天文部

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